- ANAカードとJALカードの選択は「人生のフライトスタイル」で決まる
- 年会費とマイル還元率の比較──ゴールドカード同士で見ると差はわずか
- マイルの貯めやすさ──ポイントサイト経由はANAが圧倒的に有利
- 特典航空券の取りやすさ──JALの方が予約しやすいのは本当か
- 上級会員制度の比較──SFC vs JGCの特典と取得難易度
- マイルの有効期限と失効対策の比較
- 提携航空会社の路線網──スターアライアンスとワンワールドの実力差
- 家族カードと家族マイルの仕組み比較
- 搭乗ボーナスマイルとフライトでの貯まりやすさ
- 電子マネー連携の比較──WAON vs 楽天Edy
- まとめ──ANA派かJAL派かは「自分の旅のスタイル」で決めるべき
ANAカードとJALカードの選択は「人生のフライトスタイル」で決まる
マイルを貯めるカードを選ぶ際、ANAカードとJALカードのどちらを選ぶかは永遠のテーマだ。結論から言えば、どちらが優れているかではなく「自分のフライトスタイルと生活圏に合っているか」で決めるべきである。ANAはスターアライアンス所属で国際線の提携航空会社が多く、海外旅行のバリエーションが広い。JALはワンワールド所属で国内線の地方路線が充実し、特典航空券の予約が取りやすい傾向がある。筆者はANA派だが、JALの方が合っている人が数多くいることも十分に理解している。この記事では両カードを8つの軸で徹底比較し、自分に合ったカードを見極めるための判断材料を提供する。
年会費とマイル還元率の比較──ゴールドカード同士で見ると差はわずか
ANAワイドゴールドカードの年会費は15,400円、JAL CLUB-Aゴールドカードは17,600円だ。マイル還元率はどちらもショッピングで100円=1マイル(1%)である。年会費の差は2,200円だが、JALカードはショッピングマイル・プレミアムが自動付帯されるのに対し、ANAカードは「10マイルコース」への加入(年会費5,500〜6,600円、ゴールドは無料)が必要だ。ゴールドカード同士の比較ではマイル還元率は同等で、年会費はANAがやや安い。ただし、JALカードは特約店でのマイル2倍付与があり、イオンやENEOSなど日常利用の多い店舗が対象に含まれる点で有利だ。筆者の計算では、イオンとENEOSを頻繁に利用する人はJALカードの特約店効果で年間2,000〜3,000マイルの上積みが見込める。
マイルの貯めやすさ──ポイントサイト経由はANAが圧倒的に有利
陸マイラーとしてマイルを大量に貯めたいなら、ポイントサイトからの交換ルートが充実しているANAに軍配が上がる。Vポイントやnimocaポイントなど複数のルートを経由してANAマイルに交換でき、交換レートも70〜80%と比較的高い。一方JALマイルへのポイントサイト交換はモッピーの「JALマイルドリームキャンペーン」が主力で、レートは実質80%と悪くないものの、選択肢の幅ではANAに劣る。年間のポイントサイト経由マイルを比較すると、ANAなら年間3〜5万マイル、JALなら年間2〜3万マイルが現実的な目標だ。筆者はこの差がANAを選んだ最大の理由であり、カード決済のマイルと合わせて年間6万マイル以上を安定的に獲得できている。
特典航空券の取りやすさ──JALの方が予約しやすいのは本当か
「JALは特典航空券が取りやすい」というのはマイラー界では定説だが、路線や時期によって実情は異なる。国内線に関してはJALの方が予約枠に余裕があるケースが多く、繁忙期でも粘り強く検索すれば空席が見つかることがある。ANAは会員数が多い分、人気路線は発売直後に埋まりやすい傾向だ。国際線ではANAのスターアライアンス特典が強力で、ANA以外の提携航空会社の便にもマイルで乗れる選択肢が豊富だ。JALもワンワールド特典で複数航空会社の便に搭乗できるが、路線数ではスターアライアンスの方が広い。筆者の経験では、国内線の帰省フライト(GWやお盆)はJALの方が取りやすく、国際線のビジネスクラスはANAの方が選択肢が多いと感じている。
上級会員制度の比較──SFC vs JGCの特典と取得難易度
ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)とJALのJGC(JALグローバルクラブ)は、どちらも一度取得すれば永続的にラウンジ利用や優先搭乗などの特典が受けられる制度だ。取得条件はANA SFCが年間50,000プレミアムポイント、JAL JGCが年間50,000FLY ONポイントまたは50回搭乗+15,000FLY ONポイントで、概ね同等の難易度である。特典内容もラウンジ・優先搭乗・手荷物優先・ボーナスマイルとほぼ同じだが、ANAラウンジとJALサクララウンジではサービスの質が微妙に異なる。筆者はANA SFCを保有しているが、JAL JGCを持つ友人によるとサクララウンジの方がビールの銘柄が多いそうだ。修行コストはどちらも40〜60万円程度が目安で、沖縄路線を活用したルートが主流である。
・陸マイラーとして日常の買い物でコツコツ貯めたい → ANA(ポイントサイト経由の交換レートが優秀)
・少ないマイルでも確実に特典航空券を取りたい → JAL(繁忙期の座席開放が多い)
・海外出張が多くラウンジを重視する → 路線網で比較(米国はワンワールド、アジアはスターアライアンスが強い)
マイルの有効期限と失効対策の比較
ANAマイル・JALマイルとも有効期限は獲得から36ヶ月(3年)だ。失効対策としてANAはANAスカイコインへの交換(有効期限12ヶ月延長)、JALはe JALポイントへの交換(有効期限12ヶ月)が主な手段である。どちらも特典航空券ほどの価値は引き出せないが、失効させるよりは遥かにマシだ。なおANAはSFCダイヤモンド会員ならマイルの有効期限が無期限になる特典があるが、一般会員には適用されない。JALにも同様のダイヤモンド会員特典がある。筆者は3年サイクルで計画的にマイルを消化する運用をしており、失効させたことは一度もない。マイルの有効期限はカード選びの決め手にはならないが、貯め始めたら出口戦略を早めに立てておくことが重要だ。
提携航空会社の路線網──スターアライアンスとワンワールドの実力差
ANAが属するスターアライアンスは加盟航空会社26社、JALが属するワンワールドは14社だ。数の上ではスターアライアンスが圧倒しており、世界中のほぼすべての地域をカバーしている。特にアジア圏ではシンガポール航空・タイ国際航空・エバー航空・アシアナ航空など人気の航空会社がスターアライアンスに所属しており、アジア旅行が好きな人にはANAマイルの方が使い勝手が良い。一方ワンワールドにはブリティッシュ・エアウェイズ・カタール航空・キャセイパシフィック航空・カンタス航空などが所属し、ヨーロッパやオセアニア方面に強い。筆者が特に魅力を感じているのはANAマイルでシンガポール航空のビジネスクラスに乗れる点で、機内サービスの評価が世界トップクラスの航空会社をマイルで利用できるのは大きな魅力だ。
家族カードと家族マイルの仕組み比較
家族でマイルを貯める場合、ANAとJALで仕組みが異なる。ANAカードファミリーマイルはプライム会員のもとに家族のマイルを合算して特典航空券を発券できる制度で、合算対象はANAカード会員の家族に限られる。JALカード家族プログラムも同様の仕組みで、親会員と子会員のマイルを統合できる。どちらも家族の合算マイルで特典航空券を発券できるため、家族4人で年間の獲得マイルを集約すれば、個人では手が届かない長距離路線の特典航空券にも現実的に手が届く。筆者の家庭では妻のANAカードのマイルと合算して年間5万マイルのペースで貯めており、2年に1回は家族でのアジア旅行を特典航空券で実現している。家族構成が多いほど合算のメリットは大きくなるため、子どもが成長してカードを持てる年齢になったら迷わずファミリーマイルに加入させるべきだ。
搭乗ボーナスマイルとフライトでの貯まりやすさ
実際にフライトで貯まるマイルも比較しておこう。ANAワイドゴールドカードは搭乗ごとに区間基本マイルの25%がボーナスとして加算される。JAL CLUB-Aゴールドカードも同様に25%の搭乗ボーナスだ。年間10回のフライトで区間基本マイルが合計5,000マイルの場合、ボーナスは1,250マイル。カードのグレード差による搭乗ボーナスの違いはほぼないため、この項目では引き分けと言えるだろう。差がつくのは入会時や継続時のボーナスマイルで、ANAカードは毎年のカード継続時に2,000マイル(ゴールドの場合)が付与される。JALカードも入会時と初回搭乗時にボーナスマイルがある。これらの付帯ボーナスは年間のマイル計画に組み込んでおくとよい。
電子マネー連携の比較──WAON vs 楽天Edy
日常の少額決済でマイルを稼ぐ手段として電子マネーとの連携も見逃せない。JALカードはWAONとの連携が強力で、JALカードからWAONにチャージすると100円=1マイル、WAONでの支払いでも200円=1マイルが貯まる二重取りが可能だ。イオン系列のスーパーやコンビニではこの組み合わせが威力を発揮する。ANAカードは楽天Edyとの連携があり、Edyでの支払い200円=1マイルが貯まるが、チャージ時のマイル付与は限定的だ。日常の電子マネー利用でのマイル効率はJALカード×WAONの方が優れていると言わざるを得ない。筆者はANA派だがこの点だけはJALの優位性を認めており、イオン系列を頻繁に利用する人がJALを選ぶ理由として十分に合理的だ。



コメント