旅行好きがカード選びに本気になる理由
旅行の費用を少しでも抑えたいと思い始めてから、クレジットカードの選び方が変わった。航空券・ホテル・現地での食事・移動——全部をカードで払うことで、年間の旅行費用の一部がポイントやマイルとして戻ってくる仕組みが作れる。知っているかどうかで、同じ旅行をしていても数千〜数万円の差が出ることがある。
旅行代をカードでお得にする方法を7つの切り口から整理した。
①航空券はマイルが貯まるカードで払う
航空券はまとまった金額になることが多く、マイルが貯まるカードで払うと一度の購入で大量のマイルが積み上がる。ANAカードやJALカードは、それぞれの航空会社の航空券購入時にボーナスマイルが付く設計になっており、通常の2〜3倍のマイルが付くことがある。
マイルが貯まれば特典航空券との交換が見えてくる。東京〜沖縄の往復で7,000〜10,000マイル程度(時期・クラスによる)が目安で、年に数回国内旅行をする人なら数年で特典航空券1枚分のマイルを貯められる可能性がある。
マイル系カードはポイント系カードより年会費が高いことが多いため、旅行頻度と年会費のバランスを計算してから選ぶことが重要だ。年に2〜3回以上飛行機に乗る人には特にメリットが出やすい。
②ホテル予約は予約サービス経由でポイントを重ねる
ホテルの予約にはExpedia・Booking.com・じゃらん・楽天トラベルなどの予約サービスを経由する方法がある。これらのサービスを経由した予約にクレジットカードで支払うと、予約サービスのポイント+カードのポイントの二重取りができる場合がある。
楽天トラベルを楽天カードで決済すると楽天ポイントが多く付く。じゃらんでPontaカードとPontaポイントが付くクレカを合わせて使うとPontaポイントが二重に貯まる。自分がよく使う予約サービスと相性の良いカードを把握しておくと、旅行のたびにポイントが積み上がる。
③旅行保険の自動付帯を活用して保険料を節約
旅行保険を別途購入すると、海外旅行なら数千〜1万円以上かかることがある。でもクレジットカードには旅行保険が自動付帯(または利用付帯)しているものが多く、航空券やホテル代をそのカードで払うことで無料で保険がかかる。
利用付帯の場合は対象の交通費・宿泊費を該当カードで支払うことが条件になる。保険の補償内容(死亡・後遺障害・医療費・持ち物損害・航空遅延など)はカードごとに違うので、出発前に自分のカードの補償内容を確認しておこう。医療費の補償額が特に重要で、海外では数百万円の医療費になることもある。
④海外利用手数料が低いカードを使う
海外での支払いにはクレジットカードの「海外利用手数料」がかかる。一般的には支払い額の1.6〜3%程度が上乗せされる。毎回の支払い額は小さくても、旅行中に何十回も使えば合計で数千円の差になる。
手数料が低い(または実質0%に近い)カードを一枚持っておくだけで、海外旅行のたびに節約できる。ソニー銀行のSony Bank WALLETや、一部のマルチカレンシーカードは海外利用手数料を極力抑えた設計になっている。旅行用のカードとして特化させるのも一つの考え方だ。
⑤空港ラウンジを活用してフライト前を快適に
ゴールドカード以上のカードには、空港のカードラウンジ利用特典が付いていることが多い。フライト前にソフトドリンク・Wi-Fi・静かな空間でくつろげるラウンジは、特に早朝便・乗り継ぎがある旅行で価値が高い。
国内ラウンジは多くのゴールドカードで利用できる。海外のラウンジはプライオリティパス(Priority Pass)が必要な場合が多く、このパスが付帯するゴールドカード・プラチナカードは旅行頻度の高い人に特に向いている。ラウンジ利用で節約できる飲食代や時間的なゆとりを考えると、年会費を払っても損しないケースは多い。
⑥ポイントサイト経由で旅行予約する
旅行予約のサービス(ホテル・ツアー・航空券)をポイントサイト経由で予約すると、カードのポイントに加えてポイントサイトのポイントも付く場合がある。モッピー・ハピタスなどのポイントサイトには旅行会社との提携広告が多く、予約額の1〜5%分のポイントが付くことがある。
大型のツアーや高額のホテルをポイントサイト経由で予約すると、数千ポイントがまとめてもらえることもある。習慣化するのに少し手間がかかるが、旅行が多い人には積み重ねると大きな節約につながる方法だ。
⑦現地費用はキャッシング+帰国後即返済で両替より安く
旅行中に必要な現地通貨の入手を両替所に頼ると、空港両替は特にレートが不利になりがちだ。海外ATMでのキャッシングを利用して、帰国後すぐに一括返済する方法の方が、実質的なコストが安くなることが多い。
キャッシング時の為替レートは銀行の基準レートに近いため、空港のレートより有利なことが多い。帰国翌日に繰り上げ返済すれば利息はほぼかからない。この方法を使いこなすだけで、10日間の旅行で数百〜1,000円以上の節約になることがある。
まとめ——旅行はカード選びを工夫するだけで安くなる
7つの方法をすべて実践しなくても、自分の旅行スタイルに合うものを2〜3つ取り入れるだけで効果が出る。マイルを貯めている人、ホテルをよく使う人、海外が多い人——それぞれに「ここで得をする」ポイントが違う。旅行前に少し時間をかけてカードの使い方を考えることが、旅行の満足度と節約を同時に高める最も地味だが確実な方法だ。
国内旅行と海外旅行でカード戦略は違う
国内旅行と海外旅行では、カードの使い方の優先順位が変わる。国内旅行ではじゃらん・楽天トラベル・るるぶトラベルなど予約サービスとの相性を重視して、ポイント還元率が高い組み合わせを選ぶのが基本だ。国内での現金引き出しは不要なので、キャッシングの優先度は低い。
海外旅行では海外利用手数料・DCC対策・キャッシングの活用・旅行保険の補償内容——これらが優先度が高い。国内旅行に使っているカードをそのまま海外でも使えるが、海外特化型のカードを一枚追加するとコストがさらに下がる場合がある。
旅行の目的地・頻度・スタイル(個人旅行かツアーか、ホテルかゲストハウスか)によって最適なカード戦略は変わる。自分の旅行スタイルを一度棚卸ししてみると、「今のカードのままでいいか、一枚追加すべきか」という判断がしやすくなる。
家族旅行でのカード活用——家族カードと旅行特典
家族で旅行に行く場合、家族カードを活用すると旅行費用のポイントを一つのアカウントにまとめて積み上げられる。航空券・ホテル代・現地での買い物——全員分の決済を一つのポイントプログラムに集約できれば、貯まるのが早くなる。
旅行保険についても、家族カードを持たせることで家族も保険の対象になる場合がある(カード会社の補償条件による)。特に子ども連れの海外旅行では、子どもが対象の保険があるかどうかを確認しておくと安心だ。
家族で旅行する機会が多いなら、旅行特典・マイル・ラウンジ利用が充実したカードへのアップグレードを検討するタイミングになる。家族全員分の旅行費用を一枚のカードに集約することで、年間のポイント総量が大きくなり、特典航空券や宿泊無料など大きなリターンが見えてくる。
旅行前・旅行中・帰国後のカード活用タイムライン
旅行でカードをうまく使うには、旅行前から意識するといい。出発の1〜2ヶ月前にはポイントサイトでの予約を確認し、旅行保険の補償内容を把握しておく。出発直前には暗証番号の確認・キャッシング枠の有効化・緊急連絡先のメモを行う。
旅行中は海外のATMでキャッシングする際にDCCを避け、支払いはできる限りカードで行ってポイントを貯める。帰国後はキャッシング残高をすぐに繰り上げ返済して利息をゼロにし、旅行中の明細を確認して不審な利用がないかチェックする。
このタイムラインを一度把握してしまえば、次からの旅行でも同じ流れで動けるようになる。最初は少し手間に感じるかもしれないが、慣れると旅行の準備の一部として自然に組み込まれていく。



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