高速道路を利用するドライバーにとってETCカードは必需品だが、ETCカードの選び方ひとつで年間数千〜1万円以上の差が生まれることは意外と知られていない。ETC割引・ETCマイレージサービス・クレジットカードのポイント還元を組み合わせれば、高速料金の実質負担を大幅に軽減できるのだ。筆者は年間10万円以上の高速代をカード+ETC割引で最適化し、毎年約1万5,000円分の還元を得ている。
ETCカードの種類と選び方
ETCカードは大きく分けてクレジットカード付帯型とETCパーソナルカード(デポジット型)の2種類がある。クレジットカード付帯型はカード会社が発行するETCカードで、高速料金はカードの利用額として計上されポイントも付く。ETCパーソナルカードはクレジットカードを持てない人向けのデポジット型で、保証金として月平均利用額の4倍程度を預ける必要がある。
ポイント効率を考えればクレジットカード付帯型が圧倒的に有利だ。ただし注意すべきはETCカードの年会費だ。楽天カードのETCカードは年会費550円(ダイヤモンド・プラチナ会員は無料)、三井住友カードは初年度無料・翌年以降550円(前年1回以上ETC利用で無料)、JCBカードWは完全無料だ。年会費無料のETCカードを選べば、高速料金のポイント還元が純粋な利益になる。
ETCマイレージサービスで最大10%還元
ETCカード保有者が必ず登録すべきなのがETCマイレージサービスだ。高速道路の利用額に応じてポイントが貯まり、貯まったポイントは高速料金の無料通行分に交換できる。NEXCO(東日本・中日本・西日本)では10円の利用で1ポイント、5,000ポイントで5,000円分の無料通行分に交換できるため、実質還元率は最大10%に達する。
さらに、カードのポイント還元(1%程度)がETCマイレージに上乗せされるため、合計還元率は11%以上になる。月1万円の高速代で年間12万円なら、ETCマイレージで最大1万2,000円+カードポイントで1,200円=年間1万3,200円の還元だ。ETCマイレージの登録は無料で、ウェブサイトから5分で完了するため、未登録の人は今すぐ手続きすべきだ。
ETC割引を最大限活用する
高速道路には時間帯・曜日によって適用されるETC割引がある。休日割引は土日祝日の地方部の高速道路が30%OFF、深夜割引は午前0時〜4時の利用が30%OFFだ。長距離旅行は休日割引の適用区間を選び、深夜に出発すれば割引が二重に効く場合もある。
平日朝夕割引は平日の6〜9時・17〜20時の地方部走行で最大50%が還元されるが、これはETCマイレージサービスへの登録が必須条件だ。通勤で高速を使う人にとっては最大50%還元は極めて大きなメリットであり、ETCマイレージ未登録では享受できないこの割引こそが、登録を急ぐべき最大の理由である。
高速料金に最適なクレジットカード
ETC利用に最適なカードの条件は「ETCカード年会費無料」「高還元率」「ポイントの使いやすさ」の3点だ。JCBカードWはETCカード年会費無料・常時1%還元・ポイント交換先も豊富で、ETC専用カードとして最もバランスが良い。リクルートカードは1.2%還元でETCカード年会費無料(JCBブランド)のため、純粋な還元率ではトップクラスだ。
高速道路の利用頻度が高い人には三井住友カード ゴールド(NL)もおすすめだ。通常還元率は0.5%だが、年間100万円達成で1万ポイントボーナスが付き、ETC利用分も100万円の集計対象になる。高速代を含めて年間100万円に到達すれば、永年無料のゴールドカード特典(空港ラウンジ・保険等)も手に入る一石二鳥の戦略だ。
ETCカードの管理と注意点
ETCカードは車載器に挿しっぱなしにする人が多いが、盗難・高温による故障リスクに注意が必要だ。真夏の車内は70℃以上になることがあり、ICチップが故障する可能性がある。使わない時はカードを車から持ち出す習慣をつけるのが安全だ。また、ETCカードにも有効期限があり、期限切れのカードではゲートが開かず追突事故の原因になるため、更新カードが届いたら即座に差し替えることが重要である。複数の車でETCを利用する場合は、どの車にどのETCカードを挿しているか管理表を作っておくとトラブルを防げる。なお、レンタカーでもETCカードは使用可能で、自分のカードを持参すればマイレージポイントもカードポイントも自分に付与される。旅行先でレンタカーを借りる際にもETCカードを忘れずに持参しよう。
・ETCカード年会費無料のクレジットカードを選ぶ
・ETCマイレージサービスに必ず登録する(実質最大10%還元)
・休日割引(30%OFF)・深夜割引(30%OFF)を活用
・平日朝夕割引(最大50%還元)はETCマイレージ登録が必須条件
・カードポイント+ETCマイレージのダブル還元で合計11%以上
・ETCカードの年会費が有料のケースがある(条件付き無料もあり)
・ETCマイレージポイントには有効期限がある(付与年度の翌年度末まで)
・車内放置は盗難・高温故障のリスクがあるため使用後は持ち出す
・有効期限切れのETCカードでゲートが開かない事故に注意
・ETCマイレージの還元ポイントは自動還元設定にしておくと失効を防げる
長距離ドライブのETC割引を最大化する実践テクニック
帰省や旅行での長距離ドライブでは、ETC割引の組み合わせで高速料金を半額以下に抑えることも可能だ。たとえば金曜夜23時に出発し、深夜割引(0〜4時・30%OFF)の適用区間を通過しつつ、土曜日の地方部は休日割引(30%OFF)が適用される。東京から大阪まで通常1万3,000円の高速代が、深夜出発で約9,000円に圧縮できるのだ。
さらに賢い方法として、SAやPA(サービスエリア・パーキングエリア)で時間調整する手もある。深夜割引の適用時間帯(0〜4時)に料金所を通過するように、手前のSAで仮眠や食事をして時間を調整する。1時間の休憩で数千円の高速代を節約できるなら、十分に合理的な選択だ。
2台持ち家庭のETCカード戦略
夫婦で車を2台所有する家庭では、それぞれの車にETCカードを設置したうえで、ポイントが1つのカード口座に集約される構成が理想的だ。家族カードでETCカードを追加発行すれば、2枚のETCカードの利用分が本会員のポイントに一元集約される。
ETCマイレージサービスはETCカード1枚ごとに個別登録が必要なため、2枚とも登録を忘れないこと。マイレージポイントはカード単位で貯まるため、1枚に利用を集中させるよりも、2枚それぞれで5,000ポイント(5,000円分の無料通行)に到達させるのが効率的だ。なお、ETCマイレージポイントの自動還元設定をオンにしておけば、5,000ポイント到達時に自動で無料通行分に交換されるため、ポイント失効の心配もなくなる。通勤で高速を使う場合は平日朝夕割引の恩恵も大きく、家族全体の高速代節約効果は年間数万円にもなり得るのだ。
まとめ
ETC利用でお得なクレジットカード比較表
| カード名 | ETC年会費 | ETC利用時の還元 | ETCマイレージ連携 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友カード(NL) | 永年無料 | Vポイント0.5% | 別途登録で還元 | ETC年会費無料・アプリで管理しやすい |
| 楽天カード | 550円/年 | 楽天ポイント1.0% | 別途登録で還元 | ETC利用ポイントも楽天市場で使える |
| イオンカード | 永年無料 | WAONポイント0.5% | 別途登録で還元 | ETC年会費無料・審査が比較的通りやすい |
| dカード | 永年無料 | dポイント1.0% | 別途登録で還元 | ドコモユーザーに相性が良い |
| JALカード | 年会費カードに含まれる | JALマイル1.0%〜 | 別途登録で還元 | JALマイルをETCでも効率よく積算 |
ETCカードとクレジットカードに関するよくある質問
Q. ETCカードはクレジットカードと別に申し込む必要がありますか?
多くのクレジットカードはETCカードを追加発行できます。申込時に「ETCカードも申し込む」を選ぶか、後からカード会社のサイトや電話で申し込む方法があります。ポイント還元を受けるにはクレジット一体型のETCカードがお得です。
Q. ETCマイレージサービスとは何ですか?
NEXCO東日本・中日本・西日本が提供する高速道路利用によるポイントサービスです。ETCカードを登録することで利用料金に応じてポイントが貯まり、高速料金の無料通行に使えます。クレジットカードのポイントとは別に貯まるため、うまく組み合わせると二重取りが可能です。
Q. 家族で複数台の車を使う場合、ETCカードは複数必要ですか?
ETCカードは1枚で複数の車載器に使い回すことができます。ただし同時に別の車に挿したまま通行することはできません。家族で複数台使う場合は家族カードのETCカードを発行する方法が一般的です。



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